結論を3行で
- 塾・予備校向けにB2B提供されていた「スタディサプリ学習塾向けサービス」は、2026年3月30日をもって提供を終了した。塾専用プランとしての契約はできない
- 個人・家庭向けの「スタディサプリ」本体は継続しているが、同じ2026年3月30日に『大学受験講座』の「合格特訓コース」も終了しており、かつ個人向けは塾の運営システムとしての利用を想定した仕組みではない
- 終了後の塾の選択肢は大きく3通り。どれを選ぶにせよ、「自塾の授業を配信し、学習の実態を管理する」中核部分の主導権を自塾側に置けるかが判断軸になる
1. 何が、いつ終了したのか

学習塾・予備校向けに提供されていた「スタディサプリ学習塾向けサービス」は、2026年3月30日(月)をもって提供を終了しました。株式会社リクルートが2025年9月1日に発表したものです。
同社は終了の理由について「事業環境の変化やサービスの利用状況などを総合的に判断」した結果と説明しており、それ以上の具体的な内部事情は公表されていません。本記事も、公表されている範囲を超えた推測はしません。
発表からサービス終了までの猶予期間は約7か月でした。
あわせて押さえておきたいのが、個人向けの『スタディサプリ大学受験講座』の「合格特訓コース」も、同じ2026年3月30日で終了している点です(2025年6月2日発表)。つまり終了したのは塾向けプランだけではなく、複数のラインが整理されたかたちになります。
「スタディサプリ 塾」で検索してこの記事にたどり着いた方の中には、以前導入を検討していた、あるいは実際に利用していたという方もいるかもしれません。塾専用プランとしての新規契約・継続利用は、2026年3月30日以降できません。
2. 個人向けは続いているが、「塾の運営システム」ではない

誤解のないように整理します。個人・家庭向けの映像授業サービスとしての「スタディサプリ」自体は終了していません。生徒が個人契約して自宅学習に使うことは、引き続き可能です。実際、公式の案内でも2026年4月以降は個人会員向けサービスまたは代替の検討が案内されていました。
ただし、これは他社(リクルート)が制作した汎用的な授業コンテンツを、生徒個人が視聴する仕組みです。塾が自塾の授業を配信し、生徒の視聴状況・課題提出・進捗を管理するための仕組みとは、そもそも役割が異なります。生徒に個人契約を促すことはできても、塾側の運営システムとして組み込むことは想定されていません。
| サービス | 現状 | 塾の運営システムとして |
|---|---|---|
| スタディサプリ学習塾向けサービス(法人向け) | 2026年3月30日に提供終了 | 契約不可 |
| スタディサプリ(個人向け) | 提供継続中(※合格特訓コースは2026年3月30日終了) | 生徒個人の自習用としては可能。塾の運営システムとしては非対応 |
| 自塾制作の授業動画+LMS | 自塾が運営する仕組み | 授業配信・課題・進捗管理まで自塾側で完結 |
なお、個人向けサービスを前提に塾を運営する場合、広告・打ち出し方に規約上の制約がないかは事前に確認が必要です。公式のサポートサイトにも関連するFAQが用意されています。
3. 終了後、塾が取れる代替策は3通り

現時点で塾が現実的に取れる選択肢を、中立に整理します。
A. 別の既製映像授業サービスに乗り換える
最も移行コストが低い選択肢です。演習量の確保や基礎固め、欠席フォローには今も有効で、教材制作の負担が発生しません。
一方で、同じ構造上の課題は残ります。コンテンツも運営基盤も他社側にあるため、提供終了・値上げ・仕様変更があれば、再び短期間での対応を迫られます。授業内容そのものが他塾と同一になるため、差別化要素にもなりません。
B. 生徒の個人契約を前提に運用する
塾としては契約せず、生徒・保護者に個人契約してもらい、塾はその活用を指導する形です。塾側の固定費は下がりますが、次の点が課題になります。
- 生徒ごとに契約状況がばらつき、全員に同じ課題を出せない
- 塾側から視聴状況・進捗を把握する標準的な手段がない
- 塾のサービスとして打ち出せる範囲に制約がある
C. 自塾制作の授業動画+LMSに切り替える
自塾の講師が制作した授業を、自塾が契約するLMS上で配信・管理する形です。制作の手間はかかりますが、授業内容も運営基盤も自塾側にあるため、外部サービスの都合に左右されにくくなります。指導内容そのものが差別化要素になる点も、A・Bとの違いです。
現実的には「併用」が多い
基礎演習は既製サービス、志望校対策や自塾独自のカリキュラムは自塾制作、という併用は合理的です。重要なのは、運営の中核(誰の授業を、誰が管理しているか)をどちらに置くかという設計です。
具体的なLMSの比較軸は、こちらの記事で整理しています。 → 学習塾向け動画配信システム・LMSの選び方|中小塾が見るべき7つの基準
4. 「結局、LMSも外部サービスでは?」への回答

ここまで読んで、当然の疑問が浮かぶはずです。「LMSだって外部サービスなのだから、同じことが起きるのでは?」
もっともな指摘です。この問いに答えられないなら、乗り換えを勧める資格はありません。ポイントは2つあります。
① 授業コンテンツの著作権が自塾にある
既製の映像授業サービスは、提供が終われば授業そのものが手元に残りません。一方、自塾の講師が制作した動画は、サービスの継続可否にかかわらず自塾の資産です。配信基盤を変えても、教材は失われません。ここが構造的に決定的な違いです。
② プラットフォームがオープンソースなら、移行先がある
弊社が提供するLMS「マナリウム」は、世界的に利用されているオープンソースLMS「Moodle」をベースに、塾運営の現場向けに整備したものです。
Moodleはオープンソースであるため、コース構造や教材、学習履歴を標準的な形式で書き出し、他のMoodle環境へ移すことができます。つまり、特定の1社の事業判断に、塾の運営基盤が丸ごと縛られる構造にはなっていません。
「外部サービスに依存するな」ではなく、「依存しても、いつでも出ていける形にしておく」——これが今回の件から実務的に引き出せる教訓だと考えています。
5. この件は「批判」ではなく「構造の話」

念のため申し添えますが、本記事は特定のサービスを批判するものではありません。塾向けプランは基礎固めや演習の効率化に確かな価値を提供してきましたし、終了はあくまで事業判断です。
ここで確認したいのは、外部の学習コンテンツサービスに運営の一部を委ねることには構造的なリスクが伴うという一般論です。約7か月の猶予期間は決して短くありませんが、生徒・保護者への案内、代替手段の選定、データの整理までを並行して進めるには、余裕のある期間とも言えません。
まとめ

- 「スタディサプリ学習塾向けサービス」は2026年3月30日に提供終了。塾専用プランとしての利用はできません
- 個人向けは継続中ですが、「合格特訓コース」は同日終了。また個人向けは塾の運営システムとしては非対応です
- 塾の選択肢は「別の既製サービス」「生徒の個人契約前提」「自塾制作+LMS」の3通り。併用も現実的です
- 判断軸は、授業コンテンツの著作権と、データの持ち出し可能性を自塾側に確保できるか
自塾オリジナルの授業を配信し、課題提出・進捗管理までひとつの環境で完結させたい場合は、マナリウムもあわせてご検討ください。ヒアリングから運用開始までの導入支援を含めてご相談いただけます。
関連記事
→ 学習塾向け動画配信システム・LMSの選び方|中小塾が見るべき7つの基準
→ 学習塾が動画授業を始めるべき5つの理由|欠席対応・反転授業・差別化
出典
- 株式会社リクルート「『スタディサプリ学習塾向けサービス』、提供終了のお知らせ」(2025年9月1日) https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2025/0901_143378.html
- 株式会社リクルート「『スタディサプリ大学受験講座』の「合格特訓コース」、サービス終了のお知らせ」(2025年6月2日) https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2025/0602_15644.html
- スタディサプリ学習塾向けサービス支援事務局「【重要】スタディサプリ学習塾向けサービス 提供終了のお知らせ」 https://studysapuri-juku.zendesk.com/hc/ja/articles/9384307818127
- ReseEd「スタディサプリ学習塾向けサービス、2026年3月終了」(2025年9月2日) https://reseed.resemom.jp/article/2025/09/02/11609.html
本記事は2026年7月時点で公表されている情報に基づいて作成しています。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。 文中の社名・サービス名は各社の商標または登録商標です。